にほんパンケーキ今昔

パンケーキの歴史

現在、日本にはアジア圏、中でも中国や韓国、台湾などの東南アジアの国々から多くの人々が観光に訪れています。

それも一度ではなく何度も来日する観光客も少なくありません。日本を訪れる外国人旅行者は、歴史的建造物など伝統的な日本文化に触れるのはもちろん、「今」日本で流行しているものにも興味津々です。現在大ブームのパンケーキなどもそのひとつでしょう。

多種多様に進化していく日本のパンケーキは、観光客の目にどう映っているのか……は、彼らのみぞ知ることですが、日本のパンケーキの歴史は、いつから始まったのでしょうか?

始まりはなんと1923年、大正時代にまで遡ります。それ以前にも雑誌で紹介されたという記録は残っていますが、実際に人々に提供され始めたのはこの頃です。

東京にあるデパートの食堂で出されていた時の名前は「ハットケーキ」でした。ハットは帽子の意味です。

英語で「ボーター」、フランス語では「キャノチエ」と呼ばれる「カンカン帽」は明治の終わりごろから流行りはじめ、大正期には一大ブームを巻き起こしました。

そのやさしい小麦色と、薄い円と背の低い円柱を組み合わせた形状が、丸いお皿に乗ったパンケーキにそっくり…ということで、その流行にあやかって付けられた名前だったのです。(「ハット」は「ホット」がなまったという説もあります。どちらも外国の文化や言葉に馴染みの薄い、当時ならではの説だと言えるでしょう。)

そのハイカラなメニューが一般の人々の食卓へ広がり始めたのは、1931年、ホーム食品から「ホットケーキの素」が発売されて以降です。

ただし、この最初の商品の売り上げはあまり振るわず、のちに砂糖が加えて改良された商品がヒットし、多くのメーカーから「ホットケーキの素」が発売されました。

現在でも販売されている森永ホットケーキミックスもこの頃に発売されたものです。もう60年以上も売れ続けていることを考えると、当初はデパートでしか食べられなかったハイカラな珍しい一品は、今やすっかり日本の食文化に溶け込みました。

大正時代に登場してから、およそ100年。その節目に合わせるように、ホットケーキは2010年代に入って再び大ブームになりました。

それらは「パンケーキ」と呼ばれ、それまでのバターとシロップという定番のトッピングを継承しつつ、生クリームやフルーツ、チョコレートやアイスなどバラエティ豊かで美しいトッピングが加わり、全国の専門店で行列を作るほどの人気です。

古くて新しいパンケーキが、日本を代表するスイーツになる日もそう遠くないかもしれません。

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